(会場:宮崎大学地域デザイン棟)
宮崎大学の夕学講座に参加。テーマは、「落語家の人育て」。講師は、金原亭馬生(落語家)、荻野アンナ(作家、慶應義塾大学文学部 教授)にて、対談形式にておこなわれた。講演要旨を紹介したい。
- 落語家として、ひとりの人を育てるために10年かかって見分ける。それは、人情の機微を見分けること、噺の登場人物になって描いていく感性などが必要となるため、この期間で本人に自然と力がみえてくる。
- 売れている人、伸びている人の共通点「コンプレックスを抱えている」こと。
- 本業以外のことでさまざまに取り組むことで本業が伸びる。落語家は、多角的な人間性を養うことが重要。
- 修行中はさまざまなハードルがあるが、そのハードルを越えることが大切。途中で止めるとそこで本人の成長が終わってしまう。
○講師に質問
Q)学ぶことに年齢は関係ないか?
A) 年齢は関係ない、40の手習いというように経験があるように、傲慢さが抜け、謙虚さが芽生える。物事の本質に還ることができる。
Q)先生のこころがけていることは?
A) 1日と15日の神棚に榊と水を供えて、こう言う「今日も腹を立てませんように」と。そうすることで、世の中が見えるようになる。声を荒げることも減る。また、疲労感が無くなり、こころが整うと考えている。
○受講を振り返って
・さまざまな小話を挟み、会場を沸かせてくれるサービス精神、噺家としての知識の深さを感じた。一方、人材育成の観点から共通するセオリーがあった。