「とんところ地震」紙芝居の看板制作に向けて
先日、宮崎市木花地域で「とんところ地震」の紙芝居を紹介する看板を制作するにあたり、内容を確認してほしいとの依頼を受け、担当のTさん(写真中央)とお会いしました。
「とんところ地震」とは、今からおよそ350年前の1662年10月31日(寛文2年9月20日)の深夜に発生した、日向灘を震源とするマグニチュード7.6の大地震です。県内では死者約200名、倒壊家屋は3800戸にのぼる大災害となりました。歴史上「寛文二年の日向灘大地震」として記録され、特に被害の大きかった木花地区では、地域名をとって「とんところ地震」とも呼ばれています。地元ではこの震災を忘れないために、およそ50年ごとに供養碑が建立されてきました。
2013年、私が所属する宮崎「橋の日」実行委員会では、「災害の記録を未来につなぐ橋渡しをしたい」という想いから、紙芝居の制作を発案しました。文献を調べ、専門家に監修をお願いし、物語の完成後には挿絵を加えて、一つの紙芝居作品として完成させました。
あれから12年。紙芝居の上演や紹介活動を続ける中で、多くの方々やメディアに取り上げていただく機会も増えました。振り返ると、「何か役に立ちたい」という小さな想いと行動が、災害文化を伝承する活動へと広がっていったのだと感じます。
そしてこの11月には、学生たちから「災害文化の伝承について学びたい」との依頼があり、これまでの取り組みをお話しする機会をいただきました。
改めて、「思い」と「行動」が未来をつくる力になるのだと、深く感じています。
