コラム・レポート

これからも、人間力の時代

2022年12月03日(土)

「がっちり!」と社員とともに、決めポーズの後に号泣された大創産業の矢野博丈社長(現在は次男の靖二氏が2018年に就任)。

数年前がっちりマンデー(TBSテレビ)のいち場面のことである。夫婦ふたりで50年以上前に始めたこの仕事。夜逃げも経験した。

ホームページによると、大創産業の売上高は2021年月期で5,262億円を突破し、国内店舗数も3,620店舗を超える。

100円ショップのアイデアは、さまざまなビジネスを繰り返す中、雑貨の販売に目をつけた社長が、ある時、数多くの商品に値札をつけることに負担を感じて、現在の値札の無い商品販売に切り替えたことが起点になっているとのこと。

番組で印象に残った社長の言葉を掲載したい。
・アレ(倒産など)がなかったら、今の自分は無かった。
・消費者に不利なことこそ、大きく書かなければならない。
・儲けようではなく、売れればいい。
・売る側の思いが入ってこそ、商品は売れる。(逆に思いのない商品は売れない)
・仕入れは格闘技。
・倒産しない会社になるなど、私の心に響いた。

朝、全員で実施するラジオ体操、週に1回、全員でする商品の仕分けなど、どんなに会社が大きくなっても、みんなでする。小さなことも大切にするという基本を学んだ。そして、元気に働き、社内が統一されていることから、「人」を大切にしていることから理解できた。その想いを同社ホームページより紹介したい。

21世紀は人間力の時代

21世紀は「商人」であること、「人間」であることが要求される時代だと思います。

効率やシステムではだめ。マニュアルでうまくいく時代ではないのです。お客さまに喜んでいただくために、人間としての、商人としての一生懸命な思いをどう鼓舞できるかにかかっている。

いわば、人間というものが一生懸命生きていくにはどうすればいいかということでしょう。そこがしっかりしていれば、あとは何でもできます。

数年前までお店は「ゲーム感覚の宝探し」と言っていました。しかし、これからは「人間力」だと思っています。人間をどうつくるかです。安さで売るのではなく、人間で売る。人間に優しい店でなければいけません。

だが、これが難しい。具体性はなく、理想として「人に優しい店」というものがあるだけです。そのためにも、人を育てなければなりません。人間を重視して、一生懸命に優しい店にしたい。21世紀の流通業はそれしか残れないと思っています。

株式会社大創産業

代表取締役社長 矢野博丈

以上


 カテゴリー : 人材育成